平沼 : ではちょっと、名残惜しいんですけど、最後の作品にいく前に、近くだし、ユニクロの話を聞きたいんですけど。

藤本 : その前に、トイレ行って来てもいいですか(笑)?

平沼 : えっ、休憩ですか!?

藤本 : ビール飲んでいたら、ごめんなさい。すぐ戻ります!(中座)

平沼 : どうですか芦澤さん。

芦澤 : 悪口を言うと、だいぶ短絡的に見えてきましたね(笑)。

平沼 : いやー、すごいなぁ。

芦澤 : あんまり悩みすぎたらいけないなって思いますね。

平沼 : 僕、改めて自分が真面目なんだってことがわかってきました。

芦澤 : 藤本さんは、ダイアグラムが分かりやすいですよね。

平沼 : もともと藤本さんが出てきたときに、被せてOMAが一筆書きのことをやっていたじゃないですか。OMAが先なのか、藤本壮介が先なのかそれは別にしても、ちょっとレムに似てますよね。

芦澤 : うん。

平沼 : レクチャーの仕方もなんとなく似ていて、全然論理的なことを言わないのに、ちょっと突っ込んだら、感覚的になったり、すぐ論理的になってきたり、振り回される感覚があって、何ていうんですかね。藤本論みたいなものがちゃんとあって、でも、今日言ったことは明日には変わるかもしれないっていう言い方かな。どうですか。

芦澤 : 五十嵐さんだったかな、藤本さんに最初会ったときに、坊さんみたいな人だって言ってて、こういったらああいうみたいな。今日、話を聞いてると、確かになって思いますね。

平沼 : これぐらい、すごい。

芦澤 : でもこれ、学生には悪い影響を与えるかもしれないよ(笑)。ぱぱっと考えて、ぱっとつくって、これでいいんだみたいな。

(藤本さん戻る)

芦澤 : 藤本さん、そういう自覚はありませんか?学生に悪い影響を与えている自覚(笑)。

藤本 : あのね、学生を惑わすっていうのは、僕の楽しみの一つですね(笑)。

芦澤 : 悪い人だ、この人(笑)。

藤本 : 例えば妹島さんとか、レム・クールハースとかに惑わされて失敗した、僕らの世代ってそうじゃないですか。でもあれをやったことで、自分にとっての建築って何なんだろうっていうことを考えざるを得ない状況に追い込まれて、けっこう大変なりにやっぱりおもしろかったんですよね。あとは、建築ってやってみて、それからちゃんと考えるっていうことなんじゃないかと思うんですよね。その前例をちゃんとつくってあげるというか(笑)。

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