青木 : それで二転三転しながらまとまっていくんですけど、予算とかいろんなことからだいぶこの大きさが小さくなって、かつ回廊にもう一箇所ショートカットできるところをつくったりとかしてます。ちょっと違うのが、これはホールですけど、ホールのホワイエがこういうところにあるんじゃなくて別室であるということです。これはベルリンのシンケルっていう人がつくった国立劇場なんですけど、こういうふうにホールがあって入口があって、これがホワイエなんですね。実はホールがあって後ろにホワイエがくるっていうのが新しい形式で、昔はこういうふうに別室でした。そこでお酒を振る舞うような使い方の大広間をつくる形式があった。こっちの方が使い倒せるんですよ。普通のホワイエはホールでやってないときは使えないんですけど、別室にすると別室だけでパーティーできる。これはスタディ模型です。いろいろやってるんです。相当地味なものだと思うんですけど、先ほどお見せした荻窪のスポーツセンターは現場に行ってからそのディテールをどうするかやってるんだけど、よし、設計中から当たり前ですね。普通に…、普通かそっかそうなんだよね。

芦澤 : 青木さん的に普通じゃないってことですよね?

平沼 : おもしろいですよね、その状況に応じてつくり方を考えていくっていうことですよね。単純なことだけどあまり成されてなかったことですよね。

青木 : そう、だからすごく不安なんですよ。

平沼 : 一緒にやっていくスタッフの方、かなり戸惑いながら迷いながらやられてますよね。

芦澤 : 今の市民ホールも先ほどのスポーツセンターも、青木さんが元々おっしゃっている、原っぱの状態をいかに構築するかっていうところは変わられてないってことですよね?

青木 : そうですね。でもね、今の2つをお見せしていて、形式が飛んじゃってるってことがわかりますよね?それで今日の最後なんですけど、今考えてることは形式が要るなってことなんですよ。

芦澤 : やはり必要ということですね。

青木 : やっぱり要る。ただその形式が何なのかをこれから模索しなきゃいけないんだけど。こういうふうに物のありかただけでやっていくことは、絶対意味があることだと思うんだけど、同時に、やっぱり形式も当然重要なわけだから、その形式って何なんだろうってもう一回考えなくちゃなと。

芦澤 : なるほど、なるほど。

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