高松:この 辺りの スライドは飛ばし ます。 これは言っておくべきですが、 この「高雄地下鉄駅」が世界で2番目に美しい 駅として 選ばれました。 何で1 番 じゃないん だ?と思っています。(笑)それで 地下鉄の仕事ばっかり来る気がして 嫌になっています。

芦澤平沼:(笑)

芦澤:台湾のほうが日本より、建築家に対するクライアントの理解が良いということはありますか?

高松:クライアントの理解はどこも良くない。

芦澤:(笑)どこも良くないですか。ではお金の支払いがいいのは?

高松:支払いが1番 良いのは…どこもないですね。 (笑)もうとにかく 取りに 行くしかない。これ今一番タイムリーな、ある企業の本社ビル です。ただ台湾というのは行政がデザインをしますので、デザインを直してくれたりするんです、お節介なことに。日本の行政はもちろんそこまでしません 。これは半分公共建築ですね。「新竹コミュニティセンター」。これは「新竹プロモーションセンター」と言って、 一種の美術館です。

平沼:ありがとうございます。ちょっとこの辺りでお聞きしたくなってきたのですが、高松先生ご自身は、建築の歴史にどのように位置づけられるとお考えですか?

高松:いやぁ、自分では全く分からない ですね。ただ 自分史的には、少し前に パリの 国立のポンピドゥーセンターに 永久コレクションとして収蔵して頂いたということ が ありました 。その収蔵作品は 、ピカソやブラック、 ダリに至るまで全てが 一連なり でナンバリングされますので、 その どこかに位置づけ て頂いたということです。これは ある意味で、 自分の“歴史”というかは分かりませんが、これまでの建築家としての短い人生の中で、自分が歩んできた道のりの中で、まずひとつ超えさせて頂いたなという実感があります 。

スケッチや ドローイング、模型が100点近く、全部 フランスに行って しまいました。まぁいつか、このポンピドゥーセンターで、なんらかの展覧会が開かれるかもしれません。生きているうちにそうなればいいなぁと思っています 。
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