平沼:あっ、二台あったのですね。(笑) そのおじちゃん、秋山さんで秋山タクシーというのですが、(笑) 迎えにきてくれたらそのおじちゃんは、西沢さんと同じぐらい?かそれ以上にこの建築の現場のことをご存知で、どうやってこのコンクリートが打たれたとか、配筋がとか、つまり現場管理をされているわけですよ。永遠にこの工事現場が大変な思いしている状況を伝えていた様子で、町中がほんとにお祭りの様になっていた話を、僕を港まで送る間、延々と話してくれて、歩くと1時間半位かかりますが、車だと15分位です。 これで僕は虜になってその後も何度か通うことになりました。(笑) そして僕は高校生の方へやさしい状況説明をした後、西沢さんにほんとに聞きたかったのは、この形態というか、始めにコンセプトにあった水滴みたいなイメージを、西沢さんが建築にされていき、佐々木さんとの具体的なやり取りの中で、どう実現化していったのかが気になっています。

西沢:佐々木さんは 天才的な方で、磯崎さんと岐阜で集会場をつくりますが、磯崎さんの立体的な 屋根を解析する のに、コンピューターで解析したそうですが、 それがすごく大変だったということで、そこから 三次曲面用のプログラムを作っちゃうのですよね。そのプログラムが面白くて、 ある 形を投げ込むと、自分でその成り立つ形に自分で成長していくという プログラムで、どんどん形が変わってくのです 。磯崎さんのサンタマリアノヴェーラー駅 のコンペで、 木が伸びてく不気味な、すごいものあるじゃないですか、

平沼:あっ、そうですね。

西沢:ああいう感じ。 「こういう形がいいな」と思って作って佐々木さんに渡 すと、コンピュータの中で勝ってに育って行って、とんでもない所が ポコンと膨らんで、返って きたりする。ポコンがいやなのでそこを再度へっこませ て返す と、思わぬところが「ポコン」と 膨らんで 返ってくるというそういうやり取りで、徐々に形になっていく感じです。佐々木さんに言われて、今もよく憶えているのは、形がへんに変わって行くからといって、僕に文句言われても困るって。(笑)

平沼:アハハ。(笑)

西沢:これは自分が決めたのではなくて、神様 が決めたんだって言われて、 おもしろいなと思った記憶がありますね。

平沼:会場の皆さんの中で、冬に行かれた方はおられますか?

会場:(手が挙がる)

平沼:冬すごいですよね。

西沢:寒い。(笑)

平沼:いや、寒くて、厳しくて、それはもうすごく幻想的な情景が見えますよね。
僕は秋山タクシーさんのおかげで四季を通じて体験させていただけたのですが、(笑)
ぜひ、みなさん、お正月辺り行ってみてください。

それでは、次のプロジェクトをおねがいします。
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