田根:建築は、最近本当に思うんですけど「夢」があると思っていて、その場所に今までなかった大きなものが突然出来上がってきて、人が使えるし、やはり作るエネルギーもあって出来上がった時に感動したりする。建築の原点は本当に時代を超えたり、人々の生活を変えたり、そこに人が集まって人間関係が生まれたりとか、建築があるからこそそれができるのではないかと思います。改めて最近建築の意味は、人が集まる場所を作ろうとすることが建築の大きな力かなと思います。そこは考え方やプログラムや大きさや小ささに関係なく、建築によって人の人生がかかるからだと思いますね。

平沼:パリの書籍学芸の方からも建築界の宝だと、聞かされています。建築家はどんな職業ですか?
 
田根:多分建築家は、人類の中でも数少ない職能として、ものを作る仕事によって自分達の作ったものが未来を作れるという職業はそんなにないのではないかと思っています。建築が出来上がることによって何もなかった場所に建築が出来上がると、そこから建物を通してものや人々の未来が生まれると思う。良い建築ができれば良い未来が生まれると思うし、それを引き継いできた、長く残ってきた建築、例えば法隆寺なんかもそうですけれど、ああいったものが1,000年以上受け継がれ文化を作り遠い過去の人々の建築があるからこそ、多分永遠に次の世代その次の世代へと建築が未来を記憶から継承することができる。やはり建築にはそういう役割があると思います。

司会:それでは田根先生、芦澤先生、平沼先生本日はどうもありがとうございました。

田根、平沼、芦澤:ありがとうございました。

| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |